会社設立の時に取締役の株式割合をどうするか
複数人で株式会社で設立しようとした場合、各取締役の株式割合はどうしますか?
ふたりで設立する場合は50%、50%ですか? 3人なら33%、33%、34%ですか?
単純にそう考える人も多いのではないかと思います。
もちろん均等に分けてうまくいくケースもあると思いますが、あまりおススメしません。
というのも、株式割合50%の代表が二人いた場合、意思決定はどうなりますか?
どちらかが反対すれば決議できません。外部の人からみても、どちらの代表と話せばいいのか迷ってしまうかもしれません。
3人で均等にした場合もしかり。
3人の場合は、2人の賛成で初めて過半数に達するので、いつも多数決で物事が決定するということになります。
スタートアップの会社は一人の社長のアイデアや行動力によって成長することが多いと思うのですが、スタートアップの段階から民主主義を取り入れた会社が果たしてうまくいくでしょうか?
ちょっと脱線しますが、国も同じだと思います。
国の初期段階では、民主主義ではなく、圧倒的指導者によって戦に勝利し、国を興し、発展させていきます。
チンギスハーン、アレキサンダー大王、劉邦、そしてリー・クワンユーなどをみれば分かります。
リー・クワンユーは何もなかったシンガポールを1代で現在のシンガポールにまで発展させた偉大な人物ですが、まだ亡くなって10年も経っていない彼なら、最近の出来事として実感を持って感じられるのではないでしょうか?
リー・クワンユーも独裁だったからこそできたことで、民主主義を取り入れていたらここまでのシンガポールの発展はなかったでしょう。
ただ、独裁が続くと3代目あたりから腐敗や弊害が目立ち始め、国は衰退していきますので、その前に民主主義へと移行するのが理想ですが…
国という大きな話になってしまいましたが、会社についても同じことだと私は思うのです。
株式割合を均等にしようとする人は”うちは大丈夫、代表同士で揉める事はありません”と思うでしょう。
しかし、実際会社を運営していくと、やはり意識の違いが出てきます。自分たちの会社のあり方や経営の仕方などにズレが生じるのです。
私も以前、2人で会社を立ち上げた経験があり、代表同士で揉める事はないと思っていたのですが、会社運営とは多くの人と関わり、利害関係が生まれるものです。
時間が経つとやはり我々の意識にもズレが生じるようになりました。
私の会社については多くを語りませんが、結論を言うと、やはり株式は誰かが過半数を持つべきだと私は考えます。
そのうえで社内での調整を図ればいいのです。
余談
あまり知られていませんが、代表取締役は必ずしも一人でなくてもよく、複数人が代表取締役に就くことができます。
大抵の場合は、トップが複数いる事は、混乱の原因になることが多いように思いますが、制度上は可能です。