持ち家がいいか、賃貸がいいか、大事な視点見逃してませんか?

持ち家がいいか、賃貸がいいか、定番かつ永遠のテーマですね。

今回はファイナンシャルプランナーの私が、あくまで個人的な意見を述べたいと思います。

前提として、なぜこの議論を人々は永遠に論じるのかと言えば、それは数字上の比較しか見ていないからです。数字だけ見れば一長一短があり、結局どっちがいいか分からないという結論にたどり着きがちなのです。

そこで、比較をする場合は、数字以外の点に注目してみてはいかがでしょうか?

結論から言うと持ち家はお勧めしません!

以下では、持ち家をお勧めしない理由を数字以外の視点を中心に説明したいと思います。

持ち家をお勧めしない理由その1

家を買った瞬間から莫大な借金を背負ってしまうから。

家を購入する時は通常は住宅ローンを組みますね。

当たり前ですが、住宅ローンを組むということは、何千万円という借金を背負って、何十年も借金を返済し続けるという事です。しかも、住宅ローンは返済期間が長期に渡るので、その分利息も高額になります。

何千万円も借金することは怖くありませんか?

例えば、月20万円の住宅ローンを支払うとして、何十年も同じ状況、同じ収入がが続くと思っていませんか? もしかしたら、会社をクビになるかもしれないし、様々なストレスによって、自ら辞めるかもしれません。そうじゃなかったとしても、会社の業績不振や、合併等で給料が減るかもしれません。

今後AIの台頭によって、職を失う人が増えるとも言われています。それは決して無能な人間から切られるわけではありません。優秀な人材も対象になる可能性は大いにあります。

昭和時代のように、皆が年齢を重ねるにつれて昇進、昇給していた時代は、家を持つことがステイタスであり、大きな目標であったかもしれません。

しかし、そのような時代は終わりました。

ここ20年日本人の給料は上がっていません。それに今後はどのような人材がクビを切られるか分かりません。それこそ、弁護士や会計士でさえAIに取って代わられるという説さえあるくらいです。

そんな時代に、何千万円も借金を背負って生きてくことはリスクでしかありません。

持ち家をお勧めしない理由その2

持ち家の資産価値は思っている程ない

例えば、2,000万円の家を購入したら、2,000万円の資産を購入したと思っていませんか?

家は誰かがそこに住んだ瞬間から中古物件となり、価値は下がります。つまり、1,500万円の物件を2,000万円で購入しているようなものです。

しかも、実際、家を売ろうと思ってもに二束三文にしかならない可能性も大いにあります。

持ち家をお勧めしない理由その3

購入時には見えなかったコストがかかる

修繕費、固定資産税、住宅ローン利息など、物件購入以外のコストがかかることを、購入時には見落としがちです。

修繕費に関して言えば、老朽化するにつれて、コストは上がっていきますし、それを全て自分で負担しなくてはなりません。

地震などの災害があった場合もそうです。保険に入っていれば、被害相当額は補償してもらえるかもしれませんが、全額補償されなかったり、免責事項によって実は補償対象外であったり、補償されない場合も考えられますが、その場合は大きな出費になります。

賃貸なら、修繕費は賃料に含まれているので、自己責任ではない故障に関しては、オーナーに修繕責任がありますし、老朽化したり、災害等で住むことが難しくなった場合は、別の物件に引っ越せば済みます。

持ち家をお勧めしない理由その4

その土地に縛られてしまう

実は、ほとんどの方が見過ごしがちだけど、私が一番のリスクではないかと思っていることです。

家を購入したら、その土地に住み続けることになるわけですが、転勤等によって、その土地に住めなくなる事だってあるわけです。

その場合は他の人に貸して家賃収入を得るという方法もありますが、他の人が賃貸するまでは家賃収入はありませんし、そもそも借りてくれる人がいない可能性だってあります。

転勤なら、まだいい方だと思います。

もし、家の隣に大きな建物が建って、一切日の当たらない家になってしまったら? もし近所に身の危険を感じるほどの隣人が引っ越して来たら? 相当なストレスを感じるほどの隣人トラブルに巻き込まれたら?

仮に自分の子供が学校などで、死にたいほどのいじめにあっていたとしたら?

いじめとは根深いもので、やめさせようと大人が努力したからと言って、なくなるというものではありません。だったら、子供を守るためには逃げるという選択肢があってもいいのではないでしょうか?

あくまで私見ですが、持ち家の人には、その土地から離れるという発想が欠けている気がします。

賃貸なら、その土地から引っ越すことを比較的楽に考えることができるので、子供が本当に危ない状態になったら、子供に「いつでも引っ越して、他の土地に行けるよ」と逃げ道を作ってあげておくだけでも、子供が極端な選択をしないで済む可能性が高くなると思うのです。

つまり、その土地からいつでも引っ越すことができるというスタンスをとることは、心の余裕に繋がるのです。

まとめ

「賃貸」か「持ち家」かの議論は、「使い捨てコンタクトレンズ」か「使い捨てではないコンタクトレンズ」どっちがいいかという問題と同じだと思っています。

コストだけを見れば、ほとんど違いがなかったり、使い捨てコンタクトレンズの方が多少高い場合もありますが、失くしたり、傷ついたり、合わなくなった場合に、いつでも新しいものに代えられると考えると、使い捨てコンタクトレンズの方が、使っていて気が楽だし、安心だと思いませんか?